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小麦粉の特性デンプンの成分や働き!料理を失敗しない知識は?

以前の記事で小麦粉のグルテンについて書きました。小麦粉を使うときグルテンだけでなく、デンプンの特性を知っておいた方が、料理が失敗しにくくなります。

そこで今回は小麦粉のもう一つの特性デンプンについて書いてみました。

小麦粉の3分の2はデンプンです、加熱することによって水を吸い糊になる特性が有り、グルテンとの組み合わせで美味しい料理になります。

じゃ!デンプンって?

グルテンを取りだす記事の中で出てきた白い水!これがデンプンです。

%e3%82%b0%e3%83%ab%e3%83%86%e3%83%b3%ef%bc%93デンプンは薄力粉が一番多く中力粉、強力粉の順に少なくなって、薄力粉で大体70% 強力粉で63%位です。

もっとも大切な性質!糊化

小麦粉に水を混ぜながら温めていくと、デンプンが水を吸ってふくらみ糊化が始まります。

糊化するスピードは水とデンプンの量で違いデンプン対水が5:95では55℃で始まり 強力粉で60℃ 薄力粉で65℃で!

デンプン対水が50:50の時は水分が十分でない為に強力粉で75℃ 薄力粉で85℃になって糊化が終わることになる。

このように水とデンプンの量。小麦粉の種類で糊化の温度が違います。

これは料理をする時(デザートを作る時も)とても大切なことです。特デザートは分量や混ぜ方などで出来上がりが全く違い、食感にも味にも影響が出ます。

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老化?α化とβ化

よくα化とかβ化なんて言葉が出てきますよね、例えばこんな感じで

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α化はデンプンに水を加え加熱した時に起きる変化で、生のデンプンと違うのは結晶構造をしていないデンプンのことを言います。

糊化してα化したデンプンは構造がバラバラで水の分子が入りやすく消化作用が良くなるばかりでなく味も食感も良くなります。

老化と言うのはα化したデンプンがβデンプン(生の状態のデンプンで分子が規則的に並んでいて水分が入りにくく消化も悪い状態)に戻ることを言います。

食パンを食べ残して置いておくうちにだんだん固くなってぼそぼそな食感になり美味しくなくなった経験はあると思います。

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食品に含まれる水分量で老化の進みぐわいは違います、研究はされていますが今のところ有効的な防止策は見つかっていないのが現状です。

料理とデンプン

ケーキ作りでは、グルテンよりもデンプンの方が主役で、卵、砂糖と小麦粉を混ぜるときどれだけ多くの空気を含められるようにするかとする一方グルテンが出来るのをできる限り抑えなければなりません。

焼く段階で包まれた空気が膨らんでふわっとしたケーキになりますが、細かい気泡がたくさんある方が美味しく感じられます。

空気の泡をこれらの生地がひとつひとつ包んでいて、焼かれたときに空気が膨らむと同時にデンプンが糊化して、カマの中で大きく膨らみます、これを上手に冷やす事が出来れば縮まず焼いた時のままの大きさで柔らかいしっかりした構造のケーキになると言う事になります。

料理では特に多いのが天ぷらの衣作りの失敗ですね。

デンプンの少ない強力粉を使いたいところですが、これではグルテンが多くなってしまい軽く上がりにくく、また強力粉は水分を薄力粉より抱えるので天ぷらが出来た後も衣に水分が残り重く出来ます、また衣が硬くなります。

ですので薄力粉を使い糊化を抑えるようにさっくりと温度が上がらないように混ぜなくてはいけないのです。

 

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