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味は舌の場所で感じ方が違うのは間違っていた?味覚と料理って何だろう?

  • 2018年5月3日
  • 2020年6月2日
  • コラム
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味は舌の部分部分で感じ方が違うと思っていませんか?

舌の先は甘みを・奥は苦味を・両サイドは塩味をって!

実はそうとも言えないようです。

確かに今までいろんな本などにそんな風に紹介されていましたから、

疑わず信じている人は多いと思います。

あなたはどうですか?

私もそうだと疑わず今まで思っていましたが、どうも違うようです。

今回は味覚について考えた記事を書いてみました。

舌の味を感じるのは場所によって違う?

結論から先に述べると、この説は間違っています!

あなたも私もおそらく今まで、そう聞いてきたし、そう信じてきたと思います。

こんな風に教わったと思います!

ではなぜ今まで誰も疑わず信じられてきたんでしょうか?

実はこの説を唱え広めたのは

、栄養学者でも生理学者でもない心理学者のエドゥィン・ボーリング氏です。

この人物アメリカの心理学会会長と言う権威ある人物でした。

権威ある人の提唱だったんで、誰も疑わず信じこんでこられたんだと思います。

 

本当に私たちは権威に弱いんですね!

 

これを1974年化学者のヴァージニア・コリングス氏が実験したところ、

「確かに場所によって基本的な味覚の感覚はあったが、

取るに足りないものである」

と結論付けました。

しかし調理の世界でも、味合う時は舌のそれぞれの場所でしっかり感じ味を記憶するべきとか、

苦い薬は舌先にのせて飲むと、あまり苦みを感じず飲めるとか、

またワイングラスメーカーはワインを飲む時に、舌の酸味を感じる部分にあまり触れささない様に

すればワインを楽しめますと、下の感度を強調してきたところも大きな要因の一つかもしれません。

 

結論としては舌のどの部分でも味を同じように認知できる。

(取るに足りないが部分的にそれぞれの味を感じるのも事実ですけど)

味雷細胞って?

では味はどうやって感じるのでしょうか?

舌の上には乳頭の形をした3種類の有郭乳頭・葉状乳頭・茸状乳頭がたくさんあります。

この乳頭は舌だけでなく、喉やその奥(最近では胃や腸にもあると言う事がわかってきています)

にも有り、ビールなど喉越のうまさとかはこの部分で感じると言う事がわかってきています。

 

乳頭には「味雷細胞」が有り、食べ物を噛む事で、味の分子が唾液中に溶け、

それが味雷細胞の「受容体」と結びつき、脳に味覚の情報を伝えます。

溶けにくい味の分子は味を感じにくくなり、後味に強く残るのはそういう理由になります。

 

美味しさって何だろう?

人には基本的な3大欲求があります。

睡眠・食欲・排せつの生理的欲求で、これらは本能の欲求になります。

その中の食欲!

美味しさの元は基本的に「欠乏している栄養素を体が欲しがっている」と言う事です。

例えば普段飲んでいる水ですが、基本的に味は無いですよね!

でも運動の後とか喉が渇いた時に飲むと美味しく感じられますよね。

同じものなのに、身体の状態で美味しくも・そうでもないも違った風に感じてしまいます。

これが美味しいと言う事になるんですね!

 

体が欲しがっている物以外には、その時の精神状態も影響があります。

例えば何かに悩んで情緒不安定なときとか、苦手な人との食事とか、

そんな時は欠乏している栄養がと言うより、好きな食べ物さえ美味しく感じられませんよね。

 

他には記憶や経験からくる美味しさです。

嬉しかったときや、幸せを感じた時に食べた物は美味しいと脳が記憶していて、

それを食べると幸福感を脳が感じます。

 

さらに育った環境や文化にも影響されてしまいます。

こんな事で人それぞれ味覚についての美味しさの基準が決まって行くんでしょうね!

味の種類を考えてみる

 

この事についてはかなり長くなりますので、いくつかに分けてで紹介していきます。

まず甘さとはから!

 

 

美味しさとは「味」「香り」「食感」「音」「記憶」「感情」「環境」

などの、その時の状況とそれ以外の

「経験」「知識」「文化」の知的部分などの

いろんなことの総合で感じられる、と書いてきました。

 

ここからはそれぞれの甘み・塩味・酸味・苦味・旨みについて化学的に考えてみます。

元々はあなたも知っているように「旨み」以外の4つでしたが、

和食を食べる私たち日本人によってグルタミン酸のどこの味にも含まれない「旨み」

加え今では5つで語られています。

確かに西洋料理にもブイヨンなどの野菜の旨みなどを取出し移すと言う料理方法はありますが、

これは野菜の甘みや苦いと味の区別の分類に分けられる味ですし、さらにトマトなどを加え

酸味を足して複雑な味を作ります。

また肉食を中心としていたため、それ自体に味があり、

私たち日本人が感じるグルタミン酸の味には少し鈍感だったようです。

昔は昆布だしなどを外国の人に飲んでもらうと、

「味がしない」とか言われた時代も有りましたからね!

 

また普段感じる味覚以外に「辛味」「渋み」「スパイス味」が有りますが、

これらの味と5つの味の決定的な違いは,味雷細胞で感じるのでなく直接「神経」を刺激して

大脳新皮質味覚野に伝わり感じる味です。

 

甘みとは

甘い食べ物は基本的にすべての人は美味しいと感じます。

それは甘いののを食べた時に脳の中で「βーエンドルフィン」などの麻薬に似た物質が分泌され

心地よい感覚が得られるからです。

甘みを感じる仕組みは味雷細胞の甘みを感じる受容体に甘さの分子が結びつく事で感じます。

分子レベルでの説明をすると結構難しく長くなるので、簡単に説明しますと

甘さ専用の受容体と甘み成分が結びつき、

活性化した甘味細胞が興奮しその強弱が脳に伝えわる事で甘さを感じます。

 

甘さの代表砂糖について

砂糖の料理への効果についても説明が必要だと思いますので、

過去記事ですがこちらに料理に対する砂糖の効果を書いています参考に読んでみて下さい。

砂糖について?料理と砂糖の関係と作用について考えてみる。

砂糖について?味付け”さしすせそ”の砂糖の特性と使い方を考える

 

砂糖の主成分は「ショ糖(スクロース)」と呼ばれるもので、世界で一番多く使われています。

なぜたくさんある糖類の中でショ糖(スクロース)が多く使われているかと言うと、

糖と言うのは温度変化に影響を受けやすんですが、ショ糖は甘みが安定しています

この事は調理する際に有りがたい特性なんです。

 

参考にショ糖の甘さを1とした時

グリコース(ブドウ糖) 0.64~0.74
ガラクトース 0.32
ソルビトース 0.5~0.7
キシリトール 0.65~1
フルクトース(果糖) 1.15~1.73
マルトース(麦芽糖) 1.15~1.75

最近では「キシリトール」「ソルビトール」と言った「糖アルコール類」をよく見かけるようになりました。

これらの糖はショ糖(スクロース)に比べ甘みは弱いですが、

体内に吸収されにくいので、低カロリー食品のダイエット食品に利用されています。

知ってのとうり「キシリトール」はガムなどによく使われています、

虫歯菌で知られている「ミュータンス菌」の代謝を防ぐ効果があります。

ただしあくまでも予防効果が期待できるだけで、治療効果はありませんんで!!

 

それ以外でも中国原産の「甘草」の根から採れる「グリチルリチン酸」は、

ショ糖(スクロース)の170倍の甘みがありますが、はじめは甘みを感じません。

時間と共に甘さを感じ、持続します。

またアミノ酸との相性がいいので醤油などに利用されています。

また清涼飲料水にはキク科の甘み主成分の「ステビオシド」はショ糖(スクロース)の300倍の甘みがあり、

整腸作用や抗がん作用に効果が期待されています。

 

合成甘味料について

サッカリンはショ糖(スクロース)の300倍の甘みが有るんですが、

糖アルコール類と同じ体内に吸収されにくいと言う特性が有り、

ダイエット食品に利用されています。

このサッカリンコールタールの研究をしていた研究員がたまたま自分が合成した物を、

舐めたところ(昔は合成品の危険性の認識が低く、よく舐めたりしていたんだそうです)

異常に甘かったと言う偶然からできたんだそうです。

その後「チクロ」「ズルチン」「アスパルテーム」などの合成甘味料が作り出されました。

これらの甘味料は少量で甘みが付けられ、カロリーが少なく貯蔵性がいいので、広く利用されました。

日本では安全性から「チクロ」と「ズルチン」の使用は禁止されています。

おわりに!つづきについて

今回は甘さについてでした、次は塩味や酸味などについて出来るだけ早く続きを書きます。

ごめんなさい!!

更新しました⇒美味しさを感じる味覚って何だろう?味と料理について考えてみる!

味覚についての観点は、いろんな角度から考えられます。

かなりおおざっぱな内容になりますが、料理をするうえで役に立つ事だと思います。

料理は本当に奥が深く、追求しようとしているのならいろんな知識を知る必要があると思います。

ただその道の専門家でないので、そういう事かのレベルでいいと思います。

(個人的な意見ですけど)

またもしあなたが料理の専門家でなくても、

料理好きなら   「ふーんそんな事なんだ」

と言うくらいは役に立っていると信じています。

今回のように味を感じる部分は違うと思っていた間違いに気付いたように!!!

 

 

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