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スポンジの共立て・別立てはジェノワーズ?ビスキュイ?違いと特徴は?

スポンジ生地を作る時には二通りの方法が有ります。

共立て法と別立て法・・・これはジェノワーズとビスキュイとも呼ばれますが、

本によってはどちらも両方の作り方があると書いたものもあります。

そして近年では、この両方の作り方のいいとこどりみたいな事も!!

違いと特徴や、

いくつかのバリェーションと一緒に、その作り方と違いを簡単に紹介します。

(2019年11月画像と追加記事しました)

 

スポンジに必要な材料

洋菓子の中でも最も基本の生地です。

材料も小麦粉・卵・砂糖だけと本当にシンプルで、どこの家庭に有る物ばかりです。

その特性を生かして作らなければなりません、だからある意味難しいと思います。

小麦粉

薄力粉!

スポンジの焼き上がりを軽く、そしてふっくらにする為には、

グルテンの柱がシッカリし過ぎていてその量を多く含む強力粉は不向きになります。

グルテンに関する参考記事⇒小麦粉の特性グルテンは粘り気?ケーキや天ぷらの失敗する原因は?

卵にもいろんな特性が有りますが、スポンジに特に利用する特性は起泡性です。

焼いた時に膨らむのはこの起泡性が大きく影響します。

起泡性とは卵を撹拌していくと、

だんだん白っぽくなって次第に空気を含んで

卵のタンパク質が薄い膜を作って空気をんでいくことを言います。

小麦粉を入れて加熱する時にこの空気が膨張していき

ふっくらしたスポンジが焼きあがると言う事になります。

卵の泡立て方には二通りあります。

 

ひとつは共立て法と呼ばれるやり方で、

一般的にはジェノワーズと呼ばれているスポンジです。

全卵をひと肌程度の湯煎にかけながらする方法で温製法のやり方です。

湯せんで温める

 

もうひとつは別立て法で、こちらはビスキュイと呼ばれています。

卵黄と卵白を別々に分け湯煎にはかけない方法で冷製法とも呼ばれています。

一般には別立て法(ビスキュイ)で作ることが多いです、

なぜなら共立て法に比べ少ない労力で泡が立ちやすく、

時間も少ない、しかも失敗も少ないからです。

 

しかし共立て法(ジェノワーズ)はしっとりとしていて、

きめの細かいスポンジに仕上げる事が出来ます。

 

砂糖

砂糖は甘みを付けるだけで無く、水分と結びつきやすい性質 保水性 

それを利用します。

泡立てた卵の泡を安定させたり、焼きあがった時の生地をしっとりさせる役割が有ります。

また生地の中の砂糖は加熱されながら

キャラメル状となり香ばしさときれいな焼き色が付きます。

キャラメルとメイナード反応の違いの参考記事⇒メイナード反応?カラメル化?違いは!絶対知っておきたい!

スポンジ生地の配合は?

配合は基本的に三同割ですが、

この分量では結構どっしりした重たいスポンジになります。

軽く仕上げるために普通は卵に対して小麦粉と砂糖の量を減らします。

 

バターは入れないの?って言われそうですが、

バターが入ると名称が変わります。

バターを入れるスポンジはパータ・ジェノワーズと言い、

入らないスポンジをパータ・ビスキュイと呼びます。

(今ではどちらもバターを入れたり入れなかったりと、シェフのイメージで作ることが多いです/2019年追加)

でも普通スポンジと言えばパータ・ジェノワーズと思っている人が多いみたいですけどね!

 

ジェノワーズとビスキュイの特徴と違い?

ジェノワーズは、

卵の風味にバターが入るので焼きあがったスポンジはコクがあって、しっとりしています。

バター(溶かしバター)は大体卵の20~30%程度です。

 

ビスキュイは卵の風味が豊かで軽いスポンジになります。

どちらのスポンジでもココアやコーンスターチ・アーモンドなどの粉を入れる時は、

その分だけの小麦粉を減らす事になります。

スポンジのバリエーションと材料

バリエーションはいくつかありますが、少しだけ紹介します。

先ず基本のスポンジの分量

この分量は結構重たくどっしりしたスポンジになります。

ジェノワーズ/ビスキュイ

21cmのマンケ型

卵……4個

砂糖……125g

小麦粉……125g

バター……40g(ジェノワーズの時)

 

パータ・ビスキュイ・ルレ

30cmの長さ1本分

これはスポンジを巻いて作るケーキなんかの生地で、有

名な所ではクリスマスのブッシュ・ドゥ・ノエルに使ったりします。

卵……4個

砂糖……130g

はちみつ……少し

小麦粉……90g

コーンスターチ……60g

牛乳……50cc

 

スポンジの作り方

共立て法

卵と砂糖をよく混ぜて、湯煎にかけながら人肌程度まで泡立てます。

湯せんで温める

人肌まで温まったら湯煎から外しさらに混ぜ、

白っぽくなって常温になるまで頑張って混ぜます、

この時に生地を持ち上げた時に切れずに流れるるのが目安になります(よくリュバン状と言われる状態です)

リュバン状

バニラエッセンスなどの香料はこの段階で入れます。

卵は温められることで泡たちが良くなりますが、この時はまだキメが粗く不安定です。

常温まで混ぜる事でキメ細かく安定した状態となりますので、ここは手を抜かないように!

まぁ!ミキサーでしているはずですから、温度をしっかり管理してください。

最後は少し速度を落とし空気の泡をきめ細やかで安定させます(2019追加)

ここによく振るった小麦粉を入れます

できれば2回振るった方がいいですし、少し高い位置から振るようにします。

そうする事で空気を含む事が出来、細かくなり混ぜた時にムラになりにくいです

 

あまり練らないようにします。

練り過ぎるとグルテンが必要以上に出来て、ふっくらとなりにくくなります。

ジェノワーズは最後にバターを入れますが出来るだけ素早くしてください!

なぜなら脂分は泡を壊してしまいますから!

 

当然そういう事は

器具は使う前にしっかり洗って脂分が付いていないようにして置かなければなりませんよ!

 

別立て法

ボールに卵黄と2/3の砂糖を入れ、白っぽくなるまでしっかり混ぜます。

砂糖を数回に

綺麗なボールに卵白を入れ底を冷やしながらしっかり角が立つまで泡立て、

この卵白(メレンゲ)に残りの砂糖を2~3回に分け入れ混ぜて光沢のあるメレンゲにします。

卵黄に少しメレンゲを入れよく馴染ませ、

メレンゲのボールに入れ戻しさっくりと合わせます、

ここに小麦粉を入れ切るようによく混ぜて生地の出来上がりです。

どちらの生地もあらかじめ180℃に温めて置いたオーブンで40分ほど焼き

、竹串を差してみて、なにも付いてこなけらば焼けています。

温かいうちに型から外し、ひっくり返して冷ませます。

関連記事⇒シュークリームを上手に焼くには?失敗する原因は?

最後に

スポンジはお菓子の基本となる生地です!

きめ細かくふっくらと仕上げられるようになるには、何度か作るしかありません。

 

コツをマトメておくと卵をしっかり泡立てる事

(別立てが失敗しにくいのはメレンゲをしっかり立てやすいですからですね)

 

砂糖を一度に入れずにしっかり空気を含ませながら砂糖を入れる事。

 

小麦粉は手早く混ぜますが、練りこんでグルテンを必要以上に出さない事。

 

そして何よりも、器具は油気が無いようにして置くことです。

 

描けば簡単ですが、やっぱり何度か作って作る過程と出来上がりの状態で覚えるしかないと思います。

そうする事で、逆にこのお菓子の時はワザときめを粗くして、

少しボソボソ感があった方がいいかなぁなんて、思った通りの生地が作れるようになります。

そんな風に出来るようになれば、誰にも出来ない、

あなただけの特別なケーキを作る事が出来るようになるかもしれませんね!

近年のレシピから考えられること!(2019年追加記事)

スポンジを作ろうとレシピを探すていると、共立て法はジェノワーズと呼ばれて

別立て法はビスキュイと呼ばれてその・・・・・と書いてありますが、

プロのパティシエなんかの動画見ていますと、 ・・・・?????

と共立てと別立ての区別なくごちゃまぜのいいとこどりみたいなのを、見かけるようになってきています。

つまりはシェフがどんなイメージのケーキを作るかで変わってきているようです。

 

また本によってはジェノワーズにもビスキュイにも共立て法と別立て法の両方があると書いたものもあります。

あなたも慣れてきたら、イメージで作り方を考えてはいかがでしょうか、

あなただけのしょっかんのけーきが出来るかもしれませんね。

 

最後まで読んでいただき有難うございました。

 

運営者 春眠