注目キーワード

料理の塩の基本的な使い方は?味や特徴でおススメは?

 

味の”さしすせそ”の二番目の塩について改めて考えてみました。

スポンサーリンク

塩って?何気なく使っていますが、塩の入らない料理はほとんど皆無言っていいほどの塩ですが、改めて考えてみると奥が深いです。

その昔徳川家康が聞いたそうです。「この世の中で一番おいしいものは何か?」

それに「それは塩です」

「では一番おいしくないものは何か?」

「それも塩です」と言うエピソードが有るらしいです。そんな塩を考えてみましょう。

塩の種類

塩には海塩と岩塩、それに少ないですが湖塩の3種類があります。今回は海塩と岩塩について主に書いていきます。

海塩

海水を天日などで乾燥させて作られる塩で、ナトリウムだけでなくマグネシウム、カルシウム、カリウムなどが多く含まれ複雑な味が特徴で、繊細な淡い味付けに合います。

また魚、野菜、穀物、鶏や豚肉などの白身の肉との相性もいいです

岩塩

海が地殻変動で陸地になり海水が蒸発して結晶化したもので、多くは鉄分を含むためピンク色がかったものが多いです。またナトリウムが海塩に比べ多く含まれるために塩辛さを強く感じるのが特徴です。

味のしっかりした料理や牛肉や羊などの癖のある赤身の肉ととの相性がよく、海塩よりニガリが少ないため肉を柔らかくする作用が有ります。

塩味の構成

ナトリウム(塩辛い/しょっぱい)

カルシウム(甘み)

カリウム(酸味)

マグネシウム(苦味)

これらの配合の比率により塩の味の違いが有ります。購入する際ラベル表示されてますので参考にすれば何となくその塩の味の傾向が分かります。

海塩は岩塩に比べミネラル分が多く含まれるために複雑な味になるのはこの為です。

味付けの基本は一般に体液(0.8~0.9%)とほぼ同じかやや薄いものが美味しく感じる使い方です、お吸い物やスープなどがこれに当たります、パンやご飯と一緒に食べる料理はやや高めにすることです。

和食に学ぶ塩の使い方

塩は洋食、中国料理を問わず使われる調味料ですが、和食の使い方が繊細なのでそれを理解するとすべてに当てはまるの和食のテクニックを考えてみます。

振り塩 紙塩

基本の使い方である振り塩

ある程度の表面積を持つ食材に対して、一定の高さから全体に均一に振ることです。均一に振るのは少し難しいですけどね。味付けが目的の一番になります。

身の厚い食材(和食では魚が多いですが)振り塩をして約30分おいて置き内部まで浸透させて調理することがポイントになります。

紙塩(キスやサヨリなど身の薄い柔らかい魚に効果的)

食材に和紙をのせ、霧吹きで水を振り湿らせ軽く塩を振ることです。浸透圧の関係で身の表面だけに塩をなじませる事が出来ます、これは塩味をつけると言うよりは身を締めて扱いやすくす方が目的になります。

強塩(ごうしお)

振り塩との違いは味付けよりは、塩の脱水作用を利用することが目的になります。食材の余分な水分を抜いて旨みを凝縮すると言う事になります。

また 塩が浸透するにつれて内部の水分と一緒にぬめりや脂分を抜いてくれるので生臭みを除く事が出来ます。

さらに塩にはたんぱく質を変性させる作用が有るので、たんぱく質を速く凝固させる効果もあります

もともとは食材の保存を目的とされていましたが、今では食材の旨みを際立たせるテクニックのひとつになりました。

強塩したものは、いったん塩抜きしてから改めて味を付けます。(例えば酢につけるしめ鯖や昆布締めです)

同じテクニックとして立て塩(塩水)が有りますが、水分の多い食材は強塩の方が向いています。

立て塩(海水と同じ濃度化やや濃いめの塩水3~5%)

立て塩の長所は強塩に比べ、塩の粒子が水に溶けることでかなり細かくなり食材の隅々まで塩の作用が利く事と食材に応じて濃度を調整できることです。

また 塩を含ませるだけでなく塩抜きにも利用されます。それは塩漬けされた食材を水でもどすと脱水作用で抜かれた水分が一気に戻り塩が抜けると同時に水っぽくなってしまいますから。

またこの応用として、立て塩にお酒や昆布を入れて火にかけ冷まして使う方法で塩味と旨みを付けるやり方もあります。

強塩や立て塩はフレンチでもソミュールとして同じ目的で使われる料理の下処理です。

 

スポンサーリンク

塩と料理

  • 塩は余分な水分を抜き、食材の旨みを凝縮すると共に外からの味と香りを移りやすくする事が出来ます。

 

  • 塩の持つタンパク質の凝固作用によって表面に火が入った状態ななり、またタンパク質の変性によって加熱した時火の通りが速くなり旨みが流れ出すのを防ぐ。

洋食では肉を煮込む(ビーフシチューなど)時焼いて壁を作って煮込みますが、焼く前に塩で余分な水分を抜いて旨みを凝縮して作る方法もあります、これは岩塩を使う事で肉を軟くする効果も期待できるからです。

和食の塩の使い方では紹介しませんでしたが、タンパク質の変性を利用した料理もあります和食では練り物です(カマボコなどです)

フレンチではテリーヌなどの料理です。

魚や肉などすり身にする時、始めにある程度塩を入れて擦ります。すると粘性が引き出されると共に保湿性も高まります、よく粘りを出して卵白を加え混ぜると卵白が適度に空気を含みふわっとした食感になりますが、これをせずに後から塩を加えても、粘りにくく卵白もうまくなじまずボソボソの全く違う物になってしまいます。

このように入れる順番で料理自体が変ってしまいますので、塩の力は絶大だと言う事が分かったと思います。

また野菜炒めなども脱水作用の為に先に塩を入れて炒めると、野菜の水分が抜け出汁水っぽく味のボケた物になるので、塩は仕上げにした方がいいですね。

 

運営者   春眠

スポンサーリンク