卵料理!卵焼き、目玉焼き、などなど誰でも卵の料理はしたことが有ると思うけど、本当に奥の深い食材です。プロの調理人でも難しい食材のひとつだと感じます。
そこでもう一度、卵と言う食材を通して料理について考えてみたいと思い記事にします。
卵と言うのはいろんな料理のバラエティが有りますが、それ以外でも乳化、粘着、起泡など料理に利用される特性や、一つの殻の中に全く違う性質の卵黄と白身が有ることです。
茹で卵(加熱のモデル)
茹で卵、茹でると言う調理方法は熱が外から中へ加熱されることです。この事について考えてみると面白いですね。
卵白と卵黄、凝固温度が違うのですから卵黄は65℃で固まり始め70℃で完全に固まります、卵白は60~70℃でゆっくり固まり始め、70℃を境に急激に固まり始め80度で完全に固まります。
と言う事は、温度を管理するといろんなパターンで茹で卵が出来ると言うっことになります。
つまり固茹で卵にしたいなら、卵白と卵黄の熱の伝わり方の時間差が出来るだけ少ない方が良いと言うっことになります。徐々にそれぞれの温度が上がり、卵黄が70℃の時に卵白が80℃であれば完璧な固茹で卵の出来上がりです。
ですから水からゆっくり茹でることが良いと言う事です。
逆に温泉卵のような場合は、70℃くらいのお湯の中で茹でるのがいい事になります。水からではなくある程度温度が上がった状態から茹でるのがベストです。
まとめますと同じ性質 同じ大きさの食材を加熱する時、温度の上がり方や加熱の伝わり方のスピードで火の通りに違いが出来る、また加熱する前の食材の温度や大きさも関係します。
調理の原点と言うか、茹で卵は食材の大きさや性質、加熱速度。大きなものを均一に火を通したかったら低い温度からゆっくりと、また表面をよく加熱し中を生に近い状態にしたかったら高温で手早くと言う事のモデルケースです。
卵を焼く
卵を焼く事は、最も高温にさらすと言う調理方法になります。半熟に仕上げるには熱の殿堂の時間を利用することです。
目玉焼きは、加熱している卵は卵白の上に卵黄が浮いている状態です、このため卵黄は卵白で煮ていると言う事になり卵白から卵黄に熱の伝わるタイムラグを利用して卵白がしっかり固まっていながら卵黄は半熟に焼きあがります。
溶きほぐした卵を焼く卵焼きは和洋中(例えばオムレツは低温で作りますが、出汁巻などは高温でなど)と少し考え方が違いますが、共通する事は卵液は執拗以上に混ぜないという点です。
混ぜすぎるとまとまる力が弱くなり、弾力がなくなるからです。
オムレツはバターが溶けだすくらいの温度で作ります。ポイントとしては卵を混ぜすぎない(和洋中、共通の考え方)混ぜすぎると粘着性が失われバターの香りを取り込みにくくなります、また混ぜ方が足りないときめ細かくならずトロンとした柔らかさが出にくいです。
出汁巻は逆にあえて強い火で作ります。火が中途半端に弱いと焼ける前に水分が蒸発して鍋にくっつきやすくなります。
卵を蒸す
蒸した時,すが入るのは、卵液中の空気が逃げ出す前に蒸固まったり、加熱しすぎて中の水分が水蒸気になってしまうからで、濃い卵液ほどすが入りやすいです。
ポイントとしては、材料を混ぜたらしばらく寝かし空気を抜くことです。また火加減も強すぎてもすが入りやすいです。出汁の入った卵は、溶きほぐしただけの卵より凝固温度が高く、約80℃位になります。この温度帯で蒸上げることが必要で、途中で蓋を開けないことです。
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