今日の出来事
調理場ではいろんな疑問や失敗が毎日おきます。
ビーフシチューを作っているときの会話から
「エスパニュールとデミソースって何が違うんですか?」
「エスパニョールソースとデミソースは別物、全く違うしエスパニュールソースは どちらかと言えば中途半端な感じ!だからさらに完成されたデミグラスソースが生まれた」
「余計にわからなくなったんですけど?」
こんな会話があり、そのあたりをしかっり記事にしようと またビーフシチューの記事にも触れてましたので、
チョット専門的なことになりますが、興味があれば是非読んでください。またこんなソースを今の時代作っているところは無いとおもいます。
なにせ手間暇がかかり、コストもかかりますので知識として知っていればいいと思います。
私もビーフシチューの記事で書きましたが、かなりアレンジしていますので、それについても触れていきます。
エスパニョールソース
いろいろな作り方があるみたいですし人によっては解釈も違い、材料も違います。また私が教えてもらった事とも少し違いました。
古典的なソースなので実際フランスでの考え方が、日本では材料や知識などの薄さなどで解釈が違って伝わったと思います。
まず!エスコフェの”ガイドキュージニエ”から(かなり要約しますが)
濃度を付けるためのルー 、ブイヨン、香味野菜(玉ねぎ 人参)、ベーコン、タイム、ローリエ
ルーをブイヨンでのばし、弱い火で煮詰めていきます、そこに軽く色付けた焼いた香味野菜やその他の材料を加え、アクを取りながら1時間ほど煮て漉し、さらにブイヨンを加え2時間ほど弱火で煮詰めて漉しておきます。
翌日これにブイヨンと生のトマトもしくはトマトピューレ(トマトは加熱して酸味を飛ばしておきます)アクが出なくなるまで煮詰めていきます。
次に!私が教わった作り方です。これもかなり古いですね(今から30年くらい前ですし、その当時でもそんな作り方をしているところはほとんどなかったと聞いています)
材料
- 赤脂 400cc
- 小麦粉 450g
- ブイヨン 約8l
- 香味野菜(玉ねぎ800g、人参400g)
- トマト(またはペースト)8~10個(ペーストの時は120g)
作り方はエスコフェとほとんど同じです。
デミグラスソース
これについてはエスコフェも、私が教えてもらったのもほとんど同じです。
エスパニョールソースを作ってその過程を約1週間繰り返していきます。
煮詰めてはブイヨンを加えると言う作業です。ひたすら煮詰めてはの繰り返しですね!
かなり濃厚な味に仕上がります。
最終日にワインなどで風味を付けます、私はマデラ酒で風味を付けていました。
手間ひま、コストがかかるのが分かって頂けたと思います。
ですからあまり作られなくなったのと、軽い味が求まられたことで、より応用が利くフォンドボーが今では主流となりました。
赤脂
ビーフシチューを作る時に出る、脂です。(ビーフシチューの記事に書いてあるものです)
この脂をバターの代わりにルーを作ることで肉の旨みがより強いルーをつくることができます。
またこの脂を精製することで、ハンバーグ、ステーキ、チキンなどを炒めるのに使います。
サラダ油などで作るのと違い風味がよく仕上がります、手間はかかりますが試してみるのもいいのではないでしょうか?
作り方を簡単に紹介しておきますね。
- 赤脂
- ニンニク
- 生姜
- 玉ねぎ
- セロリ
- ポロねぎ
- ローリエ
- セージ
- タイム
作り方と言うほどではありませんが、すべてを鍋に入れ弱火で煮て漉します(野菜はくずで結構ですし、すべて用意しなくてもある野菜で十分です、ただニンニク、ショウガ、玉ねぎ、人参は欲しいですね)
決して高温にならないように、風味を移すイメージです。
フォンドボー
今ではコマーシャルとかでも出てるので言葉は聞いたことがあると思います。
簡単に言うと子牛の骨を焼いて、野菜と(人参、玉ねぎ、トマト)を加えて3時間ほど煮込んで作ったソースです。
このソースの特徴は、味が軽くていろんなソースのベースになります。
そのまま軽く煮詰め、お酒で香りを付けてコーンスターチで濃度を付けるだけでも使えますし、魚料理のソースに隠し味のように使用したりと、本当に幅広く使えるソースです。
その為今の時代、このソースが主流となるのは当然な事です。
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