最近食中毒や混入の事件などが多いですよね。
O-157やノロウイルス・ちょっと違いますがアニサキスと何かと報道されています。
今からの季節涼しくなってきたからと、油断すると危険です!
今回は7月と9月末の幼稚園でのサルモネラ食中毒を機会に、
家でも注意したい事についてまとめてみました。
サルモネラ食中毒って?
サルモネラは大体害虫からの菌や卵などからの感染で起きる食中毒です。
動物の腸内に生息していて、排せつ物を通じて自然界に広く存在します、
ハンバーガーやアイスクリーム・チーズなどの乳製品、卵や肉、お菓子と結構原因は特定しにくいですが、
60℃15分以上の加熱でほとんど死滅します。
最近は衛生環境もしっかりしてきて、あまり大きな事件は起きていませんでした、
でも危険度からすれば結構危ない食中毒です。
分類上3000種以上で、菌の型は2000位有ります。
症状としては個人差はありますが10~24時間で腹痛・下痢などの急性胃腸炎を伴い
吐き気・嘔吐・発熱です。
発熱は38℃から40℃位になりますが、大体4~5日で平熱に戻ります。
下痢については血便などはあまりありませんが、水様性の軟便が特徴です。
おおよそ1~2日続きますが、1週間位で回復します。
今回の愛知県の弁当による食中毒の食材は今のところ特定されていませんが、
7月に鹿児島で起きた保育園でのサルモネラ食中毒の食材は、
胡瓜の浅漬けだったようです!
この浅漬け、職員が家で作って持ち込んだようです!
これを機会に今一度、家庭での衛生を見直してみてはと思います。
食中毒を起こす菌は?
上でも書いた、サルモネラ菌をはじめ、腸炎ビブリオ・ウェルシュ菌・ブドウ球菌・
ボツリヌス菌・カンピロバクターなどなど多くあります!
ひとつひとつについて説明すると大変なので簡単に紹介しておきますね。
腸炎ビブリオ菌は海水にいる菌で好塩性細菌で、魚介類などが汚染されやすい菌です、
日本では5~10月に汚染されやすいが冬は陰性であることが多いです。
ブドウ球菌は人の手や指・頭髪・体全体に分布していて、化膿の原因菌です。
ウェルシュ菌は偏性嫌気性菌で、各種の家畜や人の腸管内にいますし土壌や海の泥にも分布している為
食肉をはじめ魚や野菜なども汚染されているかの世が有ります。
ボツリヌス菌は河川をはじめ湖や田んぼ畑などの土壌に分布している偏性嫌気性菌です。
カンピロバクターは牛や羊等多くの家畜やニワトリなどの家禽の腸管内に多くいます、
その為、生畜肉・生鶏肉・生牛乳などの食品が汚染されている可能性が高いです。
まだまだありますが、かなり専門的になるのでこの位で!
正直な話プロと呼ばれる調理人でもひとつひとつ、
理解して対処しながら料理を作っているわけではありません!
とは言え一応勉強している人も多いのも事実ですけど!!!
食中毒を防止するには、この業界では三原則としてみんな(多分ですが)知っています。
それを調理場では実行しているんです。
三原則は清潔・迅速・冷却加熱です、簡単に言うと細菌を付けない・増やさない・殺すと言う事です。
なかにはと言うか、悲しい事に結構消毒の仕方が形だけと言う人が多いのも現状です!
例えばアルコール消毒は濡れている所にサッと吹き付けるだけ、
これではアルコール濃度が薄くなって効果が期待できません。
またしっかり吹き付けないのも、効果が期待できないです。
他には今日ではノロウイルスにはアルコール消毒では効果が無いので、
次亜塩素酸液(要は漂白剤のようなものですけど)を使いますが、
これは光にあてていると効果が無くなってしまうのに、透明な容器に入れているとか、
開封後大体3カ月程度で効果が半分くらいになり、半年するとほとんど効果がありません。
それを知らずにもったいないと、いつ開封したのかわからないものを使っている所も有るのが現状です。
有る専門家の人と話す機会があった時言っていましたが、
「安全を取れば正直美味しい料理を作るのは難しいでしょうね、
調理の人には少し同情してしまう所がありますね!」って。
確かに完全な対策は工場などでなければできません、でも美味しい料理を毎日作るためには
家庭では、どんなところに注意していけばいいか考えてみましょう!
家庭で注意する事は?
まな板・布巾・スポンジなどなど色々ありますが、最低の事だけを!
全てをと思うと大変で結果いい加減になってしまいますからね。
出来る事から少しずつ習慣化していけばいいと思います。
基本は三原則ですよ!
細菌を付けない
これは特にまな板が注意が必要です。
出来れば食材ごとに使い分けするのがいいんですが、家ではなかなか大変ですよね!
調理場では最低三枚使い分けている所が多いと思います。
魚用・肉用・野菜用です!厳しいところではさらに三枚増えます、生で提供するものと
加熱して提供するものを分けている所も有ります。
家では1枚または2枚でと言うのが現実的ですよね、あなたもそうしているかもしれませんが、
我が家では、牛乳などのパックを利用しています。
ある意味使い捨てですから経済的です。
出来るだけ、加熱して食べるものと生で食べるものは使い分けしてください。
これだけでもかなり効果が有ります!!!
後は冷蔵庫は清潔に保つ事と、収納場所をしっかり区分しておくことです。
プロの世界では仕事が終わると毎日掃除します、清潔に保つ事と在庫の確認のためです。
こうする事で、無駄な食材を買わなくて済みますし、古い食材と新しい食材が混ざらないようにできるからです。
これは菌を増やさないにも言えますからね。
まな板を洗う時は熱いお湯で洗わないようにしましょう、高温でたんぱく質が固まりこびり付く可能性があります
ぬるま湯で洗う事をおススメします。
そうそう洗うですが、どこの家でも今はスポンジを使いますね。
あなたの家でもそうだと思いますが、最近チョット衝撃的な発表がありましたよね!
テレビでも紹介していましたが、有る研究機関の発表で、熱湯消毒をしても、よく乾燥させてもあまり効果が無く
細菌は繁殖しているらしいです。
さらに悪い事に、生き残った菌類が死滅した菌の場所で増殖してしまう可能性が有るといいていましたよね。
出来れば1週間をめどに新しい物に変えた方がいいらしいですが、ちょっと考えてしまいます、、、、
これは個人的な意見ですが、あまり神経質になって無菌状態にしてしまうと、
人は免疫力が低下してしまうんじゃないかって!
あなたはどう考えるか分かりませんが、、、、
ですから今まで通り私は熱湯消毒もしくは漂白剤に付けて
殺菌して良く絞って水切りのいいところに置いておけばいいと考えています。
でも使った後洗剤のついたままはやめた方がいいです!
この洗剤細菌の繁殖の場所なる可能性が有りますから!
それは家庭の台所洗剤は常温で放置されていることを前提に、
口を小さくして汚染されにくいようにしています。
確かに除菌洗剤とかありますが、油を落とすことが目的で細菌を殺すことが目的で無いので中には
汚染されると繁殖する可能性も有るからです。
布巾やスポンジは食材が触れるものに使うので、しっかり清潔にしておきましょうね!
使う度に良く洗う習慣を!!!
菌を増やさない
これは、保存の仕方と取扱いの事になります。
例えば、家でカレーなんかを作って余った時に仲間でよく冷えきれていないものを、
冷蔵庫に入れてしまうと、中心がいつまでも温かい状態で菌にとっては最高の温度帯が続いてしまいます。
出来るだけ早く全体を冷やさなければいけません!(迅速)
菌の繁殖温度帯は、大体体温と同じくらいですので
この温度帯をできる限り早く過ぎる事が大切な事になります。
また冷蔵庫等きれいにしておかなければ、菌が冷蔵庫で食材に移ってしまい
取りだして長い時間放置してしまうと、増殖してしまいます。
またスーパーなんかで買ってきたものは、思っているより雑菌なんか結構付いています、
出来るだけ早く冷蔵庫に入れてしまいましょうね!
でも!
低温でも菌は死んでいません、ある意味冬眠状態と言ってもいいと思います。
決して冷蔵庫を過信しないようにしましょうね!
菌を殺す
全てとは言いませんが、最近の多くは加熱する事で、死滅または減らす事が出来ます。
いい例がO157などの大腸菌は75℃1分の加熱と同等の熱処理で死滅してしまいます。
でも~!
なかには3時間以上加熱しても耐える菌もいます!加熱したからと言いて
完全に安全とは言えないのも事実ですけどね!
家庭ではそこまで神経質になるっことはないと思います、
だってその日に食べてしまう事が前提ですからね!
私たち調理人は宴会や、多くのお客さんの為に作って置いておかなければならないので、
そんな事にチョット神経質になってしまいます!
おわりに
まだまだ注意する事は有るんですが、
家庭では最低この位の知識と、衛生で結構効果があると思います。
これからの季節、確かに乾燥して涼しくなってきますのでチョット油断してしまいがちですが、
注意しましょう!
特にこれからはノロウイルスによる食中毒が多くなってくる時期ですからね!
最後にこれまでの食中毒の記事の一部を紹介しておきます。
⇒食中毒!冬が一番危ないってホント?ノロウイルスだけで無い?台所の衛生は大丈夫?
⇒食中毒!O-157 ・ノロウイルス・アニサキス!一年中油断できない?
⇒ノロウィルスGⅡ.2型!2016年ピークは?なぜ大流行したの?対策と予防は?
⇒o-157やノロウィルスを出さない料理方法の注意点やコツは?メンチカツ事件から学ぶ!
長くなりましたが最後までお付き合い有難うございました。
運営者 春眠