あなたは、ポテトサラダやコロッケを作る時やジャガイモのグラタンを作る時
どんな風にジャガイモを茹でてますか?
もしかして、何も考えずに茹でているだけ?
チョット考えながら処理するだけで、味は変わります!
そんな事について少し考えて見ませんか?
ジャガイモと料理
マッシュポテトはメークインのようなしっとりタイプの方が滑らかに仕上がります。
コロッケやポテトサラダには男爵のようなホクホクタイプを選ぶようにした方が、美味しく感じられるので
作る料理に応じて選ぶのがいいんじゃないでしょうか。
料理と品種は
男爵やきたあかりなどはポテトサラダ・コロッケ・グラタンに、メークインは煮崩れしにくいので煮物に、ほっかいこがねはフライポテトに向いています。(あくまでも参考で、あなたの好みで選ぶといいですね)
ジャガイモの選び方としては、
先ず、ジャガイモは品種に関係なく、ふっくらとしていて丸みの有るもので表面に傷やしわが少ないものを!
でこぼこの多いものは生育不良です。
男爵・きたあかりなど
中くらいでずしりと重い物がいいです、大きすぎるとスが有ったり、中心が空洞化している可能性があり水っぽくなっていたりします。
メークイン・ほっかいこがねなど
大きさにあまり関係ないです、出来るだけ表面が滑らかなものがいいですね。
どちらも緑がかったものは避けましょう、これは光に照らされていた証拠で発芽が促進され芽が出やすくなっています。
芽の部分や緑がかった部分はソラニンを含んでいて有毒です。
こちらは身体には影響ないですが、美味しくない状態です。
あんこの原因(中に黒くゴロったした感じのもの)・畑 保管方法 輸送の時の高温 酸素供給不足 体への影響はないが美味しくないので食べない方がいい
中心空洞原因・大きくなりすぎ中心部にデンプンの栄養補給が不十分・土壌の温度がストレスとなり急激に水分を取ってデンプンが糖に変化する事で起きる。
保存方法についてはこちらに有りますので参考にしてください⇒ジャガイモが美味しくなる保存方法は!チルド?野菜庫?常温?どれが一番いい?
茹でる時の事について
ほとんどのレシピの本などには、皮ごと水から茹でるとありますし、
多くのレストランなどもそのようにしている所があります(原価の問題や作業効率も有りますが)
当然私もそんな風に習ってきてました、そのようにした方がジャガイモの風味も甘みも増すからと言われて!
確かにその党利なんですが、
時間もかかるし、ムラに茹であがる事やベチャとした仕上がりになったりで、調べてからは茹で方を変えています。
茹で方は作る料理に応じて変えた方がいいですね!
家庭では丸ごと茹でるには手間も時間もかかりますし、ムラに茹であがったりとあまりいいことは無いと思います。
皮を剝き、大体1.5~2cm位の厚さに切って茹でる事をおススメします。
それを水から茹でるのが一番効率よく、ムラも無茹でる事が出来ますから!
では料理に応じてとはどういう事かと言うとですね。
グラタン等
皮を剝き、食感がいい厚さにスライスします、大体5㎜位がいいんじゃないでしょうか。
この時に水にさらしておくと言いうレシピが多いですが、出来ればさらさずにミルクに入れてしまいます。
生クリームを入れ沸騰させずにゆっくり茹でるようにします、なぜならジャガイモの遊離デンプンで
濃度を付けてしまうためです。
この時、沸騰はさせないようにしましょう、あなたも経験あると思いますが牛乳って沸騰すると吹きこぼれるし、
ジャガイモも煮崩れしやすいですからです。
細かい作り方は今度料理を作りながら記事を書きますね(今考えているのはジャガイモのグラタン・ドフィノワーズです)
ポテトサラダやコロッケ・マッシュポテト
皮を剥いて、大体1.5~2cm位にスライスした後、水にさらしますが、どのくらいの時間がいいでしょうか?
グラタンと考え方が違います!遊離デンプンを取り除きたいんですね!
このデンプンは片栗粉みたいなもので、加熱すると糊のようになってしまい
結果としてべた付かせてしまうと言う事になってしまいます。
水に白いものが残らなくなるまでさらすと言う事になりますが、少し困った問題が起きてしまいます。
あまり長い時間さらしてしまうと、
浸透圧で余分な水分を含んでしまいます(経験上ですが)これも味の点であまりいい結果を生みません。
ですから何度か水を変え白っぽくならないくらいでいいです。
参考に
70℃のお湯で20分茹で、冷ますと、じゃがいもを潰す時の遊離デンプンは半分以下になるそうです。
ジャガイモのデンプンは72℃で糊化(α化)を起こし、その後温度が上がると(80℃以上)共にペクチンが分解し細胞が壊れ煮崩れを起こします。
細胞を壊すと美味しく出来ません!
その為にはペクチンを壊さずデンプンを元の状態に戻したいんですね(β化です、この現象は2~3℃が最も起こり安です)
料理とデンプンについて参考記事⇒小麦粉の特性デンプンの成分や働き!料理を失敗しない知識は?
もしあなたが最高のポテトサラダやマッシュポテト・コロッケを作ってみたいのでしたら、
72℃の温度を保ち20~30分位漬けておきます(温度計をで計りながら)あまり長い時間漬けておくと、その後いくら加熱しても柔くなりません。
その後に冷水で冷まします。
これは煮崩れを起こしやすい野菜には効果があります。
この後に茹でていきます、水からでもお湯からでもどちらでもいいですがしっかり茹でる事です。
不十分な茹ででは、裏ごす時に細胞を潰してしまい、粘りのあるものになってしまいますので!
沸騰させずに上手に茹でてある時は、水は濁ったりしていないはずです。
お湯を捨て余分な水分を飛ばしていきます、鍋に戻し粉ふき芋の要領で火にかけ温かいうちに裏ごしていきましょう、
冷めるに従いペクチンの硬化が始まり細胞を壊してしまう事になり、細胞内のαデンプンが出てしまい粘ついてしまいますから!
裏ごすにもコツがあります、それは引っ張るように漉すのではなく、上から押すような感じで裏ごすようにします。
そうする事で細胞が潰れるのが最小限で済みます。
チョット長くなりましたが、そんなに難しい事ではないですよね!知識として知っている事でより注意すれば、
今までよりも美味しく失敗しなくなります。
最後に
今回はジャガイモ料理をする下処理を紹介してきました。
料理を作る時に一番大事なことです、下処理を丁寧にするかしないかで、料理の味は9割決まってしまうといつも思っています。
こんなことでレシピやいろんなサイトの料理を作る時に、一段も二段も美味しく作れるようになります、するしないは別として
是非知っておきたいコツです。
ジャガイモで料理を作るたびに思い出してください、当然煮物でも同じことが言えます。
煮物を作る時に梅干を加えて作ると煮崩れしにくいと言うのも有りますが、これも細かいところでは同じ原理です。
PH4位で茹でるとペクチンの作用で煮崩れしにくいんです。
機会が有ればその仕組みを紹介したいと思います。
運営者 春眠