トマトが美味しい季節になり、農家の方からトマトをいただきました。
生でもみずみずしく甘みが有り美味しかったので、
「ハヤシライスにしてみたら美味しいかなぁ?」って思い作る事に!
作りながら「あれ?これってハッシュドビーフ!なにがどう違う?
確かに生のトマトは使わずピューレを使っているくらいの違いか?」
ってことで今回の記事は疑問と作り方になります
ハヤシライスとハッシュドビーフの違いって?
結論から先に言うと、正直 これっと言うものは見つかりませんでした。
色々調べた結果を紹介していきます!
作り方の前に良かったら読んでみて下さい!
(結構一生懸命頑張って調べてみましたから 😆 )
ハヤシライスの起源でよく言われているのは?
ハヤシライスの起源は「ハッシュドビーフ」と一般に知れ渡っています、
これが正解だとよく似ていても当たり前と落ち着けるんですが、そうはいかないみたいです。
いろんな説を紹介しながら説明していきます。
人の名前説
人の名前からハヤシライスの名前が付いたと言う説も結構多くあります。
まず丸善の創設者「早矢仕有的(はやしゆうてき)」が考案したので「ハヤシライス」と言われた。
それと上野精養軒の「林と言うコック」が広めたので「ハヤシライス」と言われる。
の二つが有ります、ひとつづつ説明していきますね!
早矢仕有的説
丸善の創設者である「早矢仕有的」この人は医者で、横浜の勤務医時代に
患者向けの体力や栄養の為に牛肉と玉ねぎの汁をご飯にかけ食べさせたと言う、
要は病人食が基本になったと言われていますが、
記録が有るだけでなく言い伝えだけです。
またその後、長男によるインタビューでは話がうまく出来過ぎていて、
信憑性に欠けると述べているようです。
また銀座老舗の煉瓦亭は「確かに、ハヤシの元祖は丸善かも知れないが、
あれは「チャプスイ」に近く、デミグラスを使ったハヤシライスは煉瓦亭だ」と言っています。
チャプスイと言うのはアメリカ風中華料理で八宝菜によく似ているようで、
刻んだ玉ねぎやピーマンと炒めた牛ひき肉にマカロニとトマトを入れ煮込んで、
とろみを付けご飯や中華麺にかけて食べる料理です。
上野精養軒のコック「林」説
実際「林」といコックさんが居たと言う事自体が、疑わしいようです!
なぜ? このような説が生まれたかと言うと、
洋食のコックはよく知っている「秋山徳蔵」と言うコックが精養軒の後
宮内省で働いている時に、「グャーシュ」と言う料理を基本に創作した料理を
上野精養軒の林と言うコックに教えたと言う事らしいです。
問題はこの説は時系列的に問題が有り、信憑性にかけます。
「グャーシュ」と言う料理はハンガリーの代表的な料理で
牛肉と玉ねぎ・ニンニク・キャラウェイ・トマトを使ったスープで
日本の味噌汁のような存在の料理です。
ハッシュドビーフ説
人の名前説は少し無理があるようですから、ハッシュドビーフ説が有力かと言うと
これも問題が有るんですよね!
なぜなら欧米のハッシュドビーフと呼ばれる料理は、
私たちのイメージのハヤシライスとは似ても似つかない料理なんです。
イギリスの料理として紹介されているんですが、
そのレシピはもっとも古い物(1788年の料理本)では
残り物のローストビーフを薄く切ってエシャロットやピクルスと一緒に煮込むとあるんです。
その後も薄切りにした牛肉とマッシュルームケチャップと肉汁のスープで煮る。
それから約100年後(1888年)の日本の料理本ではローストビーフとルーブロンで作ると
割と今の「ハッシュドビーフ」に近い料理が「ハヤシビーフ」として紹介されています。
オリジナルのイギリスに対して日本では初めから
ルーを使うと言うフランス料理風で紹介されています。
その他の説
他にもいろんな説が有ります、そのいくつかを
例えば
「早死(はやし)に説」…牛肉が解禁されたばかりなので、牛肉を食べると早死にすると言われた。
「早く出てくる説」…注文してからすぐ出てきたので,「速し」から付いた。
等など探せばほかにもあるんじゃないかと思いますが、
どれもこじつけで無理やりつけているようですよね!
ハヤシはいつから言われ始めたのか?
この言葉が初めて日本で紹介されたのは先ほども書きましたが、
1888年(明治21年)の料理本で、
そのレシピはローストビーフを薄く切り玉ねぎの輪切りを炒め、
シチューソースをたっぷり入れ煮込み、揚げたパンを添えるとあります。
シチューソースと言うのはおそらくブラウンソース(ルーブロンをブイヨンでのばしたもの)
だと想像します、
なぜならデミグラスが日本に紹介されたのは確か明治30年以降だったはずですから!
次に使われたのは明治40年(1907年)で、ハヤシビーフは牛肉とじゃが芋をバターで煮たもので、
デミソースを使って無く、現在のハヤシライスからとウザかったようなレシピで紹介されています。
ハヤシライスとハッシュドビーフの認識?
ハヤシと言う名前は明治の半ばから時折出てきます、ただあなたや私がイメージしているものとは
似ても似つかない料理ばかりですけど!
デミグラスを使って煮込むハヤシライスは1920年の本に紹介され、
それ以降よく見かけられるようになると同時に、ハッシュドビーフの名前が薄れてきました。
ハッシュドビーフの名前は平成になって、
ハウス食品がハヤシライスをオシャレで新鮮なイメージで売り出しヒットさせ始めてからです。
この事がハヤシライスとハッシュドビーフを
別の料理のようなイメージを付けられたのかもしれません。
「ハッシュ(hash)」は辞典で調べると細かく切ると言う動詞以外に、
肉と野菜を言い所に煮込んだ料理と言う名詞での意味もあります。
その為に細かく切ったものの牛肉や野菜の煮込んだ物をハッシュドビーフと思い込んで
それぞれのイメージで紹介してきたのではないかと思います。
こう考えていくとハヤシライス・ハッシュドビーフは同じもので
日本で生まれた洋食と考えていいんではないかと考えます。
違いと言えばハッシュドビーフは赤ワインとトマト・デミグラスで煮込んだ
チョット大人の味付けしたもので、
ハヤシライスはトマトピューレやケチャップベースのデミグラスで煮込んだ
子供向けの味付けと言う事でしょうか!?
ハヤシライスを作る
ハヤシライスを作っているつもりでしたが、
認識のところで書いたようにどちらかと言えばハッシュドビーフですね!
材料は(4~5人前)
農家さんからいただいたトマトなので、結構大きです。
ひとつ150gオーバーです。
トマト……2個 (適当にぶつ切りします)
玉ねぎ……2個 (櫛形又は1cm位のスライス)
マッシュルーム……15~16個(4つ割または厚めのスライス)
牛もモスライス……400g (適当な大きさに切ってておきます)
小麦粉……30g (振っておきます)
赤ワイン……200㏄ (好みで調整して下さい)
デミグラス……150㏄
バター……50g
トマトがみずみずしい時にはブイヨン入りませんが、
ちょっと濃度が強いなと感じる様でしたら調整して下さい。
作り方
鍋にバターと玉ねぎを入れ、中火で焦がさない様に炒めます。
少し歯ごたえが残る位がいいです、
ここでマッシュルームもいれて炒めたいところですが、酸味を少し飛ばしたいので、トマトを入れ強火で炒めます。
水分が出てきますので、少し煮詰めます。
この時も強火のままです、トマトは強火で炒めると甘みが増し、
弱火でゆっくり加熱すると酸味が残りやすいです。
トマトが煮崩れて、酸味が和らいだところでマッシュルームを入れ赤ワインを加え煮込んでいきます。
毎回書くんですが、料理用のワインや安いワインは煮詰めても酸っぱいだけで甘みが有りません、
そこで少しだけ砂糖を加えます。
(いいワインは煮詰めると甘酸っぱく本当に美味しくなります)
肉を別にフライパンで炒めます、
ある程度ほぐれて、少し焼き色がついてきたら小麦粉を入れ炒めます。
肉のうまみを吸った小麦粉でソースに濃度が付きますし、炒める事で粉臭さも無くなります。
煮込んでいる鍋にこのまま入れて煮込んでいきます。
ワインが半分くらいに煮詰まったらデミグラスを入れ5~6分煮込んで完成です。
この時少しドロドロ過ぎるなって感じたらブイヨンを加えて下さい。
デミグラスは既製品のまま使ってもいいんですが!
出来れば人参の皮や玉ねぎの皮、デミグラスの倍の水に少しブラックペッパーを入れ、
煮詰めると缶臭さが無くなりマイルドな感じになります。
元の分量の1.5倍くらいで一度漉して、赤ワインで溶いたコーンスターチで濃度を付けます。
ビニール袋で小分けして、凍らせておくと、色々な料理に使えて便利です。
また皮には栄養も豊富なので!
⇒所さんの目がてんで紹介!ファイトケミカルって?野菜くずがからだにいい?
おわりに
ハヤシライスを作っていたつもりでしたが、いつもどちらかと言うとハッシュドビーフでしたね!
まぁ! 同じもので(?)すけど。
もしあなたの好みが、少し甘めな方がと言うのなら赤ワインを減らしてケチャップを加えるといいです。
やっぱり赤ワインは、少し入っている方が美味しいと思いますよ!
ハヤシライスとハッシュドビーフの違いは、
少し納得いかない結果となってしまったかも知れませんが、
どこを調べても「こうだから違う物だ」と言うものを見つかられませんでした。
色んな人も私やあなた同様「どこが違う?」と感じ調べてるようですが、
結局同じものではないか(?)とい結論に板ているのがほとんどでした。
少しモヤモヤが残ってしまったかも知れませんが!
最後までお付き合い有難うございました。
運営者 春眠